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最終更新日:2017年09月24日

木話01DIYであれば木材は「乾燥仕上げ材」を使用します。
・乾燥材を使用する理由、乾燥材の定義、含水率、平衡含水率

『木材は十分に乾燥した木材を使用する』、最重要事項です。

木材の含水率

含水率表示は乾量基準と湿量基準の2種類:一般的に含水率と言えば「湿量基準含水率」を指しますが、木材の乾燥程度を示す含水率では「乾量基準含水率」を使用します。
湿量基準含水率:全体を100%とした場合の水分の割合(%)を表す。例えば全体で250gの商品のうち水分が150gであれば、含水率(湿量基準)は60%である。
乾量基準含水率:水分を含まない重量(全乾状態)を基準として、水分をどれだけ含んでいるかを表す。上の例では、水分を含まない重量は100g、水分は150g、よって含水率(乾量基準)は150%(=150/100 x100)となる。
何故、木材は乾量基準含水率を採用するのか:木材の相対湿度の変動により膨張または収縮します。木材の含水率を乾量基準含水率で表記しますと湿度による変動と膨張収縮率が直線的な比例関係となります。木材の含水率表記は乾量基準含水率が便利(使い勝手が良い)なのです。

乾量基準含水率(U)と湿量基準含水率(U’)の換算式は下記となります。
U’=U/(1+U)

自由水、結合水、繊維飽和点:木材内部の水分は自由水と結合水から構成されている。
自由水は比較的簡単に取り除くことができ結合水だけとなった状態を繊維飽和点と云う。この時の含水率は約30%である。
繊維飽和点の状態から結合水を取り除いて行くと木材のサイズは収縮する、収縮率は乾質基準含水率の低下と比例関係にある。(このため木材は含水率を乾量基準で表す)

平衡含水率:木材含水率は気温と湿度の変動により変動する。この時の含水率を平衡含水率と云い平衡含水率が上がれば木材は膨張し下がれば収縮する。
木材の平衡含水率は地域により異なるが、8%(乾燥期)から16%(湿潤期)程度であり、繊維飽和点の含水率(約30%)より低い。このため、未乾燥材や中途半端な乾燥材には割れ・曲がり・寸法不良などが欠点が発生する。

DIYでの含水率測定方法

含水率計:木材業界や住宅メーカーでは木材の含水率測定には「含水率計」を使用します。含水率計による含水率の測定はあくまでも目安値でしか有りませんが、他に有効な方法はありませんので含水率計の使用方法や含水率計のクセを知った上で使用することが肝心です。
DIYでの含水率測定方法:基本的に含水率計が無ければ含水率を知ることはできません。このため、DIYerは含水率を測定することができません。含水率が測定できなければ、乾燥材であるのかも分かりません。自然乾燥(天乾)した木材を販売される方がおいでになりますが、含水率の公表無しでは天乾しても何の意味もありません。
「木材は乾燥材を使用するべきです」が、DIYerは木材業者やデッキ材販売業者の公表する含水率を信用するしかありません。残念なことですが、木材の含水率公表や乾燥材の供給に関しては日本は世界の後進国と云っても過言ではありません。このため十分乾燥した乾燥材の入手は簡単ではありません。

乾燥材の定義

JAS(製材の農林規格)では、含水率25%以下の木材を乾燥材と認めています。
乾燥材は含水率の割合で記号で表示します。
D25:含水率25%以下の乾燥材、乾燥しにくい梁などに認められた含水率区分。
D20:含水率20%以下の乾燥材。
D15:含水率15%以下の乾燥材。

梁などの断面積の大きな材ほど、含水率が十分低い乾燥材を使用するべきです。

乾燥材の目的

木材は乾燥材を使用するのが当たり前とお考え下さい。
未乾燥材(高含水率、伐採直後は含水率100%以上の材もある)は、時間を掛けある一定の含水率(平衡含水率)になるまで木材内部の水分を大気中に放出します。
この過程で、木材には曲がりや割れが発生しサイズは収縮します。

乾燥材の目的(欠点発生の軽減):乾燥材は木材の使用前に含水率を下げ、割れや曲がりそしてサイズの収縮の発生を軽減する目的があります。乾燥材生産中に発生した欠点は除去されます。

乾燥材の目的(検疫):一般的に乾燥材は人工乾燥(KD)によって生産されます。人工乾燥材は高温(70℃など)で処理されますので、害虫などを駆除する効果があります。
木材の貿易では輸出先(仕向地)に合わせた検疫対策として乾燥材の指定があります。
検疫目的の乾燥材では、仕向け先国による加熱温度や加熱時間などの指定があります。

乾燥材の目的ではありませんが、乾燥材は含水率が低いためカビ菌などの生息環境ではありませんので、乾燥材にはカビ防止剤(カビ止め処理)は使用されていません。未乾燥材は例外なくカビ防止剤が使用されています。

十分な乾燥材とは

JASの乾燥材定義では、含水率20%以下(梁では25%以下)を乾燥材となります。
木材の含水率は、その地域の乾燥期や湿潤期に見合った含水率になります。
この時の含水率を平衡含水率と言いますが、地域や樹種により異なりますが、年間の平衡含水率は8%から16%程度となります。
平衡含水率が8%から16%であれば、含水率25%(D25)の乾燥材や含水率20%(D20)の乾燥材は、平衡含水率以上で生産されていることになります。
「十分な乾燥材」とは、平衡含水率に近い含水率で生産された乾燥材となります。JASの含水率区分ではD15となります。

生産者にとって木材の含水率を15%以下とするすることは、割れや曲がりなどの発生が多くなるためリスクの高い仕事となります。また、価格面ではD15がD20より高値で売れるようなことはありません。このため、乾燥材と言えばD20が一般的となります。

DIYでは「乾燥仕上げ材」を使用する

乾燥材材の原材料は未乾燥の製材品で未仕上げ材(プレーナ加工やサンダ―仕上げがしていない)です。
乾燥後に製材品のサイズを整えるためにプレーナ加工をします。
JASではプレーナ加工やサンダ―仕上げなどをした木材を「仕上げ材」と言います。
JASでは「乾燥仕上げ材」のサイズ誤差は、「未乾燥材」や「乾燥未仕上げ材」より精度の高い(誤差の少ない)値となっています。
従いまして、DIYでは「乾燥仕上げ材」を使用して下さい。

デッキ材では今でも未乾燥材が主流となっているようです。ウェブサイト上では、デッキ材の厚み精度がプラスマイナス2mmや幅精度ではプラスマイナス4mmなども散見します。長さ方向の曲がり(幅反り、刀反り)が長さに対して0.2%では4メートル材では8mmの幅反りが許容範囲となります。非力で木工事の経験のないDIYerでは、いずれの欠点も手におえない代物です。