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最終更新日:2017年09月24日

■ウッドデッキ材と「製材のJAS規格」について
ウッドデッキ用製材品を販売するネット販売では「木材は自然資源のため、曲がりや割れあります」そして「厚みサイズの誤差は3mm、幅のサイズの誤差は5mm」などの表記があります。販売する製材品の規格は開示するべきですが、「規格の内容」は「製材のJAS規格」に照合しますと不合格品となり問題があります。しかし、デッキ材は建築物の主要構造材ではありませんので、建築基準法で定める製材品の強度(製材のJAS規格)には含まれませんので違法行為ではありません。法的な問題ではなく、サイズが揃っていない、曲がりや割れがある製材品が使えるのか、となります。プロの大工さんであれば木材の見方も厳しく、幅反りしていない、寸法精度が良い、木目が通っている(目流れが少ない)ものを選びます。DIYで使用する製材品はそれ以上の品質が必要です。
従いまして、DIYで使用する製材品は寸法精度が良く曲がり反りなどの欠点が少ないものを使用します。製材のJAS規格に置き換えますと「曲がりと寸法精度はJAS1級、その他の欠点はJAS2級以上」のものがDIYに適した製材品となります。
デッキ材は上記DIYに適した製材品規格に外構用木材の耐久性が要求されますが、耐久性だけでは不十分です。詳細は次の項目に記載いたします。

外構用木材の耐久性について
・デッキ材や濡れ縁など屋外で使用する木材を外構木材と言いますが、製材JAS規格では外構木材に関する規格はありません。土台などに使用する木材の薬剤処理区分や薬剤処理無しで使用できる高耐久木材の記載はあります。
・欧州規格(EN)では木材の耐久性を試験し5段階に評価分けしクラス毎に適切な用途を決めています。外構用木材にはクラス2以上の製材品または薬剤処理木材が使用されます。耐久性クラス4の製材品は塗装することによってクラス3の用途として使用することができます。
・欧州の耐久性区分も日本の高耐久木材も耐久年数の記載はありません。米杉の耐久性は約10年とか熱帯広葉樹の耐久性は80年とか耐用年数を云々しているのはデッキ材の世界だけのようです。米杉も使用環境が良ければ20年以上腐りませんし、メンテナンスすればそれ以上の耐用年数となります。耐久性80年のデッキ材が4,5年で腐る理由は、製材後80年目だったのか耐久性を過信し使用環境やメンテナンスをおろそかにしたためと思われます。
・外構用木材の耐久性は使用環境やメンテナンス次第です。デッキ材は外構用木材を使用し、腐朽菌が好む環境を与えず、塗装などのメンテナンスをすることが長持ちさせる有効な手段となります。

1.環境に優しい木材であること

森林認証材、ISO14001など

・環境の時代、ウッドデッキ材も地球に優しい木材を使用します。
・デッキ材のほとんどが輸入木材であるため、「環境に優しい木材」であるかを知ることは困難と思われますが、環境保護団体のホームページなどを参考にして地球に優しい木材を使用するようにして下さい。

(各種デッキ材の評価)

  • ◎サーモウッド(★★★★★):サーモウッドの原材料であるRedwoodやWhitewoodは持続可能な植林木で森林認証材(PEFC、FSCなど)が基本である。大手林産会社はISO14001を取得済み。サーモウッドの開発目的は薬剤やガス媒体を使用しないで耐久性のある木材処理である。環境先進国フィンランドで開発された木材処理技術です。
  • ◎その他のデッキ材(不詳):木材業者にとって森林認証や合法木材は重要事項であり誤記載を避けるため記載を割愛いたします。

2.耐久性のある木材から選ぶ

外構木材として十分な耐久性が必要である

・耐久性は欧州規格(EN350-2)の耐久性5段階評価においてclass2(外構木材用)以上の樹種または薬剤処理木材(防腐処理木材)を使用します。
・class2の木材はデッキ材用途であればお手入れ次第で数十年もちますが、土に埋めたり、土に接したり、水中や海水での使用はできません。

(各種デッキ材の評価)

  • ◎サーモウッド(★★★★☆):212℃加熱処理サーモウッド(Thermo-D)の耐久性試験結果(EN350-1)の評価(EN350-2)はclass2です。class1(★★★★★)のサーモウッドも開発されていますので使用環境が海水の場合にご検討下さい(価格はバツー・ウリン同等で高価)。
  • ◎バツー、ウリンなど(★★★★★):耐久性試験結果は不明であるが海水でも使用する例があるようですのでclass1と評価します。

3.人工乾燥材(KD材)を使用する

未乾燥材はサイズ不良や曲がり反り割れが発生する

・未乾燥材(green材)を人工乾燥(KD)することで木材が自然乾燥時に発生する欠点(割れ、曲がり、サイズ不良)を抑制することができます。乾燥材は雨に濡れても乾きやすいため腐朽菌対策にもなります。製材直後のgreen材の辺材部は含水率100%以上も珍しくない高含水率となっています。
・人工乾燥材(KD材)の含水率は16%から20%で平衡含水率(乾燥期で8%多湿期で16%、地域により異なる)より高いため完璧な含水率とは言えませんが、一般的に人工的に含水率を16%以下にすると生産時の不良率が高くなり経済上困難と言えます。
・デッキ材では、厚みの揃っていないモノ、幅反り(刀反り)したモノを使用することは困難です。

(各種デッキ材の評価)

  • ◎サーモウッド(★★★★★):212℃加熱処理サーモウッド(Thermo-D)の含水率は5%から8%で生産される。この含水率は乾燥期の平衡含水率同等かやや低い値であり理想の含水率である。サーモウッドJ-DECKの生産時の含水率は6%、平衡含水率は6%(乾燥期)から8%(多湿期)であり平衡含水率の低い木材である(地域や年により異なる)。
  • ◎その他のデッキ材(不詳):未乾燥材であっても流通段階で自然に乾燥(AD材)しているものや乾燥材でも含水率20%以上(D25)などのものがある。一般的には含水率の評価は★から★★★★のデッキ材が多いと思われる。(お気に入りのデッキ材の含水率はデッキ材販売業者にお尋ね下さい)

4.寸法サイズの良いプレーナー仕上材を使用する

デッキ材では製材肌(粗挽き、ラフ挽き)は使用しない

・厚みや幅の精度が悪い(バラツキがある)デッキ材は施工困難である。
・厚みや幅の精度は各表記サイズのマイナス1mmプラス1mm以内の木材を使用する。
・木材のサイズ規格で一番厳しい値は表示サイズのプラスマイナス0.5mmである。
・ただし、ラフ挽き材の柔らかい印象や塗料の持ちの良さは魅力である。

(各種デッキ材の評価)

  • ◎サーモウッド(★★★★★):寸法精度は抜群。表記サイズのプラス0.5mmが多い。マイナスは少ない。
  • ◎その他のデッキ材(不詳):ウリンやバツーを検品した限り寸法精度は高い(★★★★★)。その他のデッキ材はホームセンターでご自身で確認してください。同じ樹種でも寸法精度の良いものと悪いものがあります。寸法測定個所は両端の木口(こぐち)から5cmの場所と材長の中央部の最低3カ所を測定します。

5.デッキ完成後の割れとカッピングが少ない木材

完成後のデッキ材の割れ、ねじれ、カッピングを軽減する

・過酷な環境で使用されるウッドデッキはどの木材を使用しても干割れやねじれそしてカッピング(cupping、一般的には木表反り)が発生します。これらの欠点は木材の乾燥度合いや木材の寸法安定性(膨張収縮率)により異なります。
・十分乾燥した木材で寸法安定性の良い(膨張収縮率が低い)木材を使用すれば施工後の欠点発生を軽減することができます。
・木材(サーモウッド以外)は木表側に反りますのでデッキ板は木裏を上にして雨水が溜らないように施工します。木目は木裏より木表が綺麗なため和室造作材は木表を見せます。夏場はデッキ材に割れが発生しやすい季節です。デッキ板のねじれを抑え込むためにデッキ板はビス2本で根太に締めつけますがデッキ板の割れは発生しやすくなります。これらの発生原因の説明は割愛しますが、十分乾燥した木材で膨張収縮率の低い(寸法安定性が良い)木材であればデッキ完成後の欠点発生は大幅に軽減できます。

(各種デッキ材の評価)

  • ◎サーモウッド(★★★★★):サーモウッドのデッキ板は僅かに木裏に反りますので、木目が綺麗な木表を見せる施工となります。寸法安定性が良くねじれが発生しないためデッキ板は1本のビス留めで十分です。干割れは発生しますが軽微な割れとなります。
  • ◎その他のデッキ材(評価できる樹種):チーク材(★★★★★)、米杉(★★★★)

6.デッキ板の適切な厚み(デッキ板のたわみ量)

根太間隔はデッキ板のたわみ量に影響

・デッキ板のたわみ量は小さ過ぎても大き過ぎても歩行感(乗り心地)は快適ではありません。
・デッキ板のたわみ量はデッキ材の樹種(ヤング係数)とサイズそして根太間隔(床板のスパン長)と荷重より算出します。掛け算と割り算だけの計算式ですのでご興味のある方はチャレンジして下さい。デッキ板の厚みがいかに重要であることがお分かりいただける筈です。
・デッキ板のたわみ量までを計算してまで根太間隔を決める施工は稀有ですが、デッキ材供給業者は販売するデッキ材に対して推奨根太間隔を開示するべきです。

(各種デッキ材の評価)

  • ◎サーモウッドJ-DECK(★★★★★):サイズ33x95mmをデッキ板とする場合の根太間隔は600mmを推奨(500mmから750mmが許容範囲)。想定荷重80kg、たわみ量2mm以下。
  • ◎その他のデッキ材(不記載):デッキ材販売の方は推奨根太間隔を記載するようにして下さい。DIYされた方のホームページを見る限りでは根太間隔が広すぎる(デッキのたわみ量が大きすぎる)施工が散見されます。施工プロの方は根太間隔が狭すぎるようにお見受けいたしました(クレーム対策と思われますが)。

7.デッキ材を無駄なく使用する(各部材サイズの共通化)

部材の共通化で無駄をなくします

・ウッドデッキは束、根太、デッキ板から構成されます。幕板を加えますと4種類のパーツとなりますが、それぞれのパーツ(部材)のサイズが異なるより共通化できるものは共通化しますとデッキ材の無駄を少なくすることができます。部材の共通化ができますと、デッキ板には木目の綺麗な材を使用し、見えなくなる根太は木目の美しさは必要ありませんので真っ直ぐな材を使用し、端材(切り残し材)も用途を変えて無駄なく使用することが可能となります。
・木材は切りまわしして使用します。「切りまわし」に最適な長さはおおむね4m材となります。サーモウッドは欧州製材品を使用するため欧州製材品規格長さでは3.9mが切りまわしに最適な長さとなります。ウッドデッキのサイズによっては3m材が最適な長さとなることもありますが、3.9m材を切りまわし無駄なく使用する工夫が必要となります。

(各種デッキ材の評価)

  • ◎サーモウッドJ-DECK(★★★★★):メインサイズ33x95x3900mmで、デッキ板・根太・束(合わせ束)が作れる。幕板は33x95、33x115、33x140のいずれかのサイズとなる。
  • ◎その他のデッキ材:米杉(WRC)とSPF薬剤注入材のツーバイフォー(204)サイズも部材共通化が可能(★★★★★)。

8.デッキ板にも木目の美しさを

ウッドデッキでは忘れがちな木目の美しさ

・デッキ施工のプロには経験も道具も腕もかないませんが、DIY者がプロに勝る唯一物が時間の余裕です。木目の綺麗なデッキ材を選ぶ作業は時間がかかるためデッキ施工プロは十分な時間を掛けれません。
・DIYでは時間を掛け、木目の美しさにこだわりを持ってデッキ板用の木目を選別して下さい。デッキ板の選別基準はあなた次第です。

(各種デッキ材の評価)

  • ◎サーモウッドJ-DECK(★★★★★):北欧針葉樹は木目の美しい製材品です。サーモウッドJ-DECKは節の大きさ(等級:グレード)はAグレードを採用し、木目が美しくなる製材方法を指定しています。ウッドデッキは屋外の造作材です。
  • ◎その他のデッキ材:日本産のひのき(★★★★★)、日本産の杉(★★★★★)。